ウェルネス経済:お金になる健康の素

ウェルネス経済:お金になる健康の素
Wellness Economics: Health/Fitness that makes Money

 お金、健康、人間関係は人間の3大お悩み事です。この3つの悩みに関わるビジネスには確実な需要があるので、このお悩み事に関わるサービスやプロダクトを供給することでお金を得ることができます。ここで大切なのは人のお悩み事に対してどのようにアプローチするのかによってサービスやプロダクトの質が変わります。 #お金になる健康 とは必要でかつ十分な意味を備えている情報で、サービスやプロダクトが包含している健康の意味(必要条件)と消費者が必要としている健康の意味(十分条件)が一致することでお金のトランザクション(取引)が発生します。参考:「 #お金になる価値 の必要条件と十分条件」の解説を参照して下さい。健康を病気ではない状態で、自分らしいQOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)を維持できる状態であると定義します。言い方を変えると、病気の人や自分らしいQOLを維持できていない人は健康を得るためにお金を使う傾向があるのです。病気になった場合は治療を受けることで健康になることができますが、自分らしいQOLを維持することは意外と難しいのです。病気ではないものの体調が悪い、肌荒れが気になる、年齢に伴って髪の毛が薄くなる、体型が気になるなど人のお悩み事で社会は溢れているのです。実際問題として自分らしいQOLを自分でも把握できていない人が大多数だと思いますが、必ずしも健康とは関係のない自分らしさの質の問題が原因であるにも関わらず健康を買うことで自分らしいQOLを得ようとするのです。自分らしさの質を「 #ウェルネス ( #Wellness )」と定義すると、人は #ウェルネス を得るためにお金を使い、健康はその #ウェルネス の一部でQOLはウェルネスを保つことにより得られる結果であると整理できます。健康= #ウェルネス ではありませんが、健康は #ウェルネス の十分条件で、 #ウェルネス な人は #健康の質 を維持できている人であると説明できます。さらに整理すると、人は自分らしい #健康の質 を得るためにお金を使います。あるサービスやプロダクトが自分の求めている #健康の質 に役立つ場合に人はその情報に関心を抱き、そのサービスやプロダクトがその人の経済価値に見合う場合にお金の取引が発生するのです。医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律、通称「薬機法」、により病気の治療に用いられる医薬品や医療機器等の販売や利用は定められています。病気に対して効果・効能のあるサービスやプロダクトは薬機法によりその取扱いが厳格に定められている一方で、健康に対して効果・効能が期待できるサービスやプロダクトは誰でも販売することができるため、健康に関わるサービスやプロダクトにはとても広い裾野があり、様々な人の健康に関わるお困り事(関心事)に対してマーケティングが行われます。このビジネスの面白いところは、ある健康に意識のある人は自分の健康や #ウェルネス が分からなくても、その関心のある健康情報に対して関心を抱き、そのサービスやプロダクトの #経済価値 が気になり、取引するための費用対効果を考えたり、未来得られるかも知れない #健康価値 に対して期待が膨らんだりするのです。この #期待経済 が #お金になる健康 の素で、人は自分らしい健康の正体が分からないものの、期待する自分らしい健康を得るためにお金を使うのです。この #期待経済 には #健康の質 とは関係のない自己満足的な要素も含まれるのでサービスやプロダクトを購入することで満たされる達成感や自己肯定感もあるので、その人の生活の質(QOL)やライフスタイルにより市場のニーズは多様化するのです。より個別化されたサービスやプロダクトへの需要は今後益々高まり、健康を包含する #ウェルネス経済 は先進国ではより高品質なサービスやプロダクトに向けて消費者の関心が高まり、発展途上国でも汎用的なサービスやプロダクトへの需要は高まることが予測できます。この需要の拡大と成長にはデジタル技術の発展が強く影響していて、人は自分の健康を見える化したり、自分らしい健康をAIに教えてもらったりすることでその期待される健康や #ウェルネス を得るための消費を続けるのです。

ある病気を治療する場合、対症療法と原因療法に大別されます。前者は、「病気に伴う症状を和らげる、あるいは消すための治療です。がんによる痛みや治療による副作用の症状が強い場合などに、それぞれの症状に応じた治療が行われます。がんを取り除くといった、根治を目指す治療ではありませんが、つらい症状に対応して痛みや不快な症状を取り除くことで、QOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)を維持することを目指していきます。」1。また、後者は、根治療法とも言われますが、病気そのものやその原因を治療します。この2つの治療方法を比較した場合、多くの人は原因療法を選びたいと思うのではないでしょうか。ところが、医療の現場において原因治療はマイナーで対症療法が圧倒的に主流なのです。そんな馬鹿な!と思われる人は試しにインターネットで「対症療法とは」と「根治療法とは」を検索してみることをお勧めします。対症療法に関しては明確な説明やその定義を見つけることができますが、原因療法に関しては婉曲的な解説や明確な定義を見つけるのが難しいのです。ただシンプルな意味として、原因療法とは、病気の原因を突き止めて、その問題の原因を解決することで病気を治すことです。医療の世界においてなぜこのような対症療法のトレンドができてしまうのでしょうか。医師は患者を診察したり、検査したりすることで、その患者の不具合の原因を見つけますが、その見つけた原因を無くすことで患者の不具合を治せるとは限らないのです。つまり、ある患者が不具合を医師に告げた場合、医師はその患者の症状から可能性のある病気を推定し、その推定を検証するために血液を検査したりレントゲンやMRI等を用いたりすることで原因を見える化します。ところが見える化された原因は目の前にあるもののその不具合の原因を直ちに解決することはできないのです。例えば、手首の痛みを告げる患者にレントゲンを用いて手首の内部状態を画像として見える化し、原因が手首のある骨が折れている事だと突き止めた場合、医師は痛みの原因が骨折によるものであると患者に告げることができるもののその骨折を瞬時に治すことはできないのです。また、仮に骨折が完治しても痛みが消えない場合、痛みと骨折は関係ないのかも知れません。大抵の場合、骨折が確認できた場合、痛みの原因が骨折によるものと診断され、その骨折を治療するための対症療法が行われ、同時に痛みを緩和するために痛み止めのお薬が処方されることでしょう。また、胃が痛む患者にはピロリ菌の検査をしたり、胃カメラなどを用いて胃の内部状態を見える化することで原因を確認し、仮にピロリ菌を検出したり、胃の内部表面にポリープを発見したとしてもその確認された原因と考えられる異常に対して対処療法を行うしかないのです。胃の痛みを引き起こす病気や原因は推定できるものの、患者の胃の痛みに対して確実な原因治療を行うのは難しいので、先ずは原因として考えらる問題を解決したり改善したりするための対処療法が行われるのです。近い将来人工知能を用いた検査により、患者の不具合の原因を極めて高い精度で推定し、その原因を網羅的に根治できる原因治療が可能になるかも知れませんが。

 健康は日常において多用する一般語で、広告やテレビのCM等でも見かけたり聞いたりしない日はないと思います。この一方で、「健康」に対して少し専門的な解説を加えると、人が「健康」を使う場合に、人はその「健康」を必要条件として示唆します。その一方で、その「健康」を情報として聞いたり見たりした人は「健康」の十分条件を確認することはあまり行われないのです。例えば、広告宣伝において、ある商品が健康に良いとしている場合、Aさん、Bさん、Cさんはその商品に関心を抱くかも知れません。ところが、Aさんはダイエットに良いかもと思い、Bさんは美容に良いかもと思い、Cさんは体調の不調が改善できるかもと思うのです。つまり、「健康」はある人達の関心を得るための必要条件であり、その人達の十分条件はダイエット効果、美容効果、不調改善となり、健康に関心を抱いた3名はそれぞれ異なる #価値 (価値観)を商品に期待するのです。参考:「 #お金になる価値 の必要条件と十分条件」の解説を参照して下さい。人が期待する健康効果とその費用感が健康ビジネスのマーケティングには重要で、ある曖昧だけど関心のある効果に人はお金を払います。そして、その効果が体感できることで消費のリピートが促されるのです。課題なのは、その体感がどの程度その人の健康に効果があるのかを見える化するのが難しいのが現実です。つまり、 #健康ビジネス において費用対効果を定量的に評価するのは難しい一方で、お金の取引が #期待経済 だけでも機能するのです。この一方で、今後はデジタル技術や通信技術が一定の水準に達することで、あなたが常時インターネットに接続されている社会( #IoYou : Internet of You)が実現し、あなたの健康が定量的に見える化されて、あなたが求めていたり、得た方が良い健康をAIが教えてくれたりする時代になります。既に一部のIoT機器は身に着けることで人の健康度を見える化してくれたり、健康に関わる注意喚起をしてくれたりします。より個別化されて、よりTPO(Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場面))化されたサービスやプロダクトが実用化され、人は電気や水道を利用するように自分の健康やウェルネスをユーティリティーとして購入したり利用したりする時代が間もなく到来し、お金になる健康の素はあなた自身の情報で、その情報が #ウェルネス経済 の素になるのです。

  1. 対処療法、国立研究開発法人国立がん研究センター、https://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic01/modal/taishoryoho.html、2023/11/18

Ver. 231118001

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