English follows Japanese.
情報やデータを経済価値に変換する工学的アプローチを、個人の幸福や健康に応用する以下の概念的フレームワークを研究しています。
① データの資本化(Information & AI Assets)
従来、健康データは「管理」の対象でしたが、価値経済工学の視点では「IP(知的財産)化可能な資産」に変わります。
個人のゲノム情報やウェルネスデータが、AIを通じて高精度の予測モデルや創薬支援の価値を生み出し、その経済的還元が個人のウェルビーイングをさらに向上させる循環を研究しています。
② 予防の収益化
「病気にならないこと」の経済的価値を工学的に算出し、リアルタイムでトークン化やインセンティブに変換されるモデルを研究しています。
これにより、抽象的だった「健康への努力」が、市場で流通可能な客観的価値(Economic Value)として可視化することが可能となります。
③ 幸福の最適化アルゴリズム
価値経済工学の最適化手法を、心理的・身体的充足感の最大化に適用する研究を行っています。
We are researching the following conceptual framework that applies an engineering approach—which converts information and data into economic value—to individual well-being and health.
① Capitalization of Data (Information & AI Assets)
Traditionally, health data has been viewed as something to be “managed,” but from the perspective of value engineering, it is transforming into “assets capable of being treated as intellectual property (IP).”
We are researching a virtuous cycle in which individuals’ genomic information and wellness data generate value through AI—such as high-precision predictive models and drug discovery support—and the resulting economic returns further enhance individual well-being.
Translated with DeepL.com (free version)
② Monetizing Prevention
We are researching a model that uses engineering methods to calculate the economic value of “staying healthy” and converts it into tokens or incentives in real time.
This makes it possible to visualize “efforts toward health”—which were previously abstract—as objective economic value that can be traded in the market.
③ Happiness Optimization Algorithm
We are conducting research on applying optimization methods from value-based economic engineering to maximize psychological and physical well-being.
English follows Japanese.
本モデルは、個人のゲノム解析データや日常のウェルネス活動を「データ資産」としてトークン化・IP化し、製薬開発やAI診断アルゴリズムの学習データとしてライセンス運用することで経済価値をつくります。 価値経済工学に基づき、情報の希少性と有用性を動的に価格決定することで、従来使い捨てだった健康データを「継続的な収益源(ロイヤリティ)」へと変貌させます。 投資対象は「設備」から「情報の価値変換効率」へとシフトし、バイオテクノロジーとAI、そして知財戦略が三位一体となった高付加価値な経済圏を構築します。 健康増進が直接的に資産価値の向上に直結する、極めて合理的なリターン構造を実現します。
This model creates economic value by tokenizing and intellectualizing individuals’ genomic analysis data and daily wellness activities as “data assets,” and then licensing them for use as training data for pharmaceutical development and AI diagnostic algorithms. Based on value engineering, it dynamically determines prices based on the scarcity and utility of information, transforming health data—which was previously disposable—into a “sustainable revenue stream (royalties).” The focus of investment shifts from “facilities” to “information value conversion efficiency,” building a high-value-added economic ecosystem where biotechnology, AI, and intellectual property strategy form a trinity. We realize an extremely rational return structure where health promotion directly leads to increased asset value.
English follows Japanese.
イチゴ、リンゴ、ブドウの必要条件は果物で、イチゴ、リンゴ、ブドウはそれぞれ果物の十分条件に該当します。
This model uses value-based economic engineering to visualize the correlation between employee health and productivity, and evaluates improvements in well-being as a corporate “intangible asset.” Specifically, it analyzes vital data obtained from wearable devices and other sources, and uses AI to propose work styles optimized for each individual’s condition. By linking improved health scores to a company’s intellectual property value and ESG ratings, the model precisely calculates not only reductions in medical costs but also the contribution to operating profit resulting from increased labor productivity. Employees receive financial incentives in return for maintaining their health, enabling organizational management where engagement and economic rationality are fully aligned—based on the principle that “the healthier the company, the wealthier the employees.”

ウェルネス経済とは、ウェルネスに関わる経済でマクロ・ウェルネスとマイクロ・ウェルネスに分けて、マイクロ・ウェルネスは人の内面に関わる経済で、マクロ・ウェルネスは人の外面に関わる経済と定義します。
マイクロ・ウェルネスには医療、健康、フィットネス、ウェル・ビーイング、美容などが含まれ、マクロ・ウェルネスにはホスピタリティー、旅行、教育、スパ、セラピー、ファッション、衣食住、ウェルス・マネジメント(富裕層に限られない)、ライフ・マネジメントなどが含まれます。
ウェルネスの言葉としての定義は難しいものの、その言葉はポジティブな印象を消費者に与え、多くの産業領域においてウェルネスを用いたブランディングが利活用されていることもあり、その裾野の広さがウェルネス産業の1つの特徴です。
ウェルネス経済において、ウェルネスはポジティブな雰囲気で、また、自分らしさや人の生活の質(QOL)を維持もしくは豊かにするモノやサービスがその実態になっていますが、費用対効果が明確でない期待経済で成立しています。
つまり、消費者はウェルネスに自分に対するポジティブな効果を期待するものの、ビジネスを提供する供給者はその消費者の期待投資に対して明瞭なリターンを提供しなくてもウェルネス経済の市場は成立しているのです。
サプリメントの市場に類似しているのかも知れませんが、自分の健康に良いと思う消費者はそのサプリメントを購入して摂取することで、自分の健康の質に良い効果があると信じます。
ここでの課題はこの自分の健康に良いかも知れない効果を定量的にもしくは定性的に評価することが難しいので、本当にそのサプリメントが自分の健康に良いのか分からないにも関わらずある人はそのサプリメントを摂取し続けることでウェルネスを期待し、そのサプリメントを提供する企業はウェルネス効果により収益を得られるのです。
冷静に考えるとある種奇妙な経済現象ですが、ウェルネスの期待経済が成立している背景には消費者の曖昧な期待と企業の漠然としたプロダクト・マーケット・フィット(PMF)で成立しているのです。
また、ウェルネスはある特定の健康効果が期待されるサプリメントのように層別化された需要よりも広範な需要に機能するもので、自分らしさや人の生活の質(QOL)に対してポジティブな期待を消費者に抱かせる効果があります。
ここで興味深いのは、PMFが満たされているのであればその商品やサービスが市場に適正に受け入れられている状態であり、需要と供給の関係において適正な価格で供給と消費が行われているはずです。
ウェルネス経済において、サプリメントの市場と異なるのは層別化された期待経済ではなく、個別化(自分化)された期待経済である点です。
ウェルネスには、自分らしさや人(自分)の生活の質(QOL)を維持もしくは豊かにするための経済(情報:シグナリング(参考情報1))が隠れていて、ウェルネス経済はこの期待経済により成立しているのです。
シグナリング理論は、「市場において、情報の非対称性を伴った場合、私的情報を保有している者が、情報を持たない側に情報を開示するような行動をとるというミクロ経済学における概念」(参考情報1)で、2001年にノーベル経済学賞を受賞したマイケル・スペンス先生によってはじめて分析されました。
ウェルネスには、自分らしさや人(自分)の生活の質(QOL)を維持もしくは豊かにするためのシグナリング(参考情報1)を備えていて、このシグナリング効果により自分らしさや人(自分)の生活の質(QOL)を維持もしくは豊かにしたい消費者のナッジ(参考情報2)となり、このナッジ効果によりウェルネス経済に消費が発生するメカニズムが説明できます。
ナッジの概念は、リチャード・セイラー先生とキャス・サンスティーン先生が2008年に出版した著書「Nudge: Improving Decisions About Health, Wealth, and Happiness」でhはじめて紹介され、リチャード・セイラー先生は2017年にノーベル経済学賞を受賞しました。
このシグナリングとナッジの効果は、層別化された期待経済の仕組みにおいても説明ができます。
目が疲れやすい消費者に対して目の疲労を緩和したり疲労を予防できたりする効果が期待されるサプリメントはシグナリング(参考情報1)を備えていて、このシグナリング効果により目が疲れやすい消費者のナッジ(参考情報2)となり、このナッジ効果によりサプリメントが消費されるメカニズムが説明できます。
層別化市場においては同じ期待価値を持っている消費者に対して期待経済が機能し、個別化(自分化)市場においては自分らしさや人(自分)の生活の質(QOL)を維持もしくは豊かにするための期待価値に対して期待経済が発生するのです。
つまり、層別化市場においてはある層に対して適切なPMFが重要で、ある層の消費者が抱く悩みを解決に導く最適な策を見つけることでプロブレム・ソリューション・フィット(PSF)が作れることになり、マーケティング戦略やブランディング戦略においてある層に対して分析を行うことで商品やサービスに対する期待経済を戦略的に作ることができるのです。
この一方で、個別化(自分化)市場においては自分らしさや人(自分)の生活の質(QOL)を維持することが重要で、必ずしも層別化市場と同じではありませんが、層別化市場と類似するケースもあります。
例えば、ウェルス・マネジメントにおいて、市場ではウェルス・マネジメントサービスは富裕層に向けたサービスが多い一方で、年金生活が難しくなる日本社会では個人が保有する資産を包括的に管理することで、年金だけに頼らないある種の社会保障(Social Security)が求められています。
日本政府は国民に貯蓄から投資を促し、少額投資非課税制度(NISA: Nippon Individual Savings Account)を拡充し、富裕層に限らない全国民のウェルス・マネジメントに選択と優遇を与えることで後押しをしています。
金融系企業はこのウェルス・マネジメントサービスにおいて富裕層を層別化した顧客とすることで富裕層が期待するウェルス・マネジメントサービスを提供していますが、政府は国民一人一人に自分で自分のウェルス・マネジメントを行うことを奨励しながら国民が年金だけに頼ることなく、自分らしさや人(自分)の生活の質(QOL)を維持もしくは豊かにできるような期待価値に向けた投資をある種誘導しているのかも知れません。
ここでのポイントは、国民一人一人に自分のウェルス・マネジメントを実践してもらうことは個別化されたウェルス・マネジメントが日本市場には広がっていて、今後この富裕層ではない個人消費者を対象としたウェルス・マネジメントサービスが新たなウェルネス・サービスとして広がることが予測できます。
ウェルネス経済は自分らしさや人(自分)の生活の質(QOL)を維持もしくは豊かにするための期待価値に対して発生する期待経済です。
ウェルネス経済の特徴は個々人によりその期待価値は異なり、また、その期待経済も異なる複雑さがあります。
この一方で、層別化市場ではある種その層における平均的な期待価値が求められる一方で、ウェルネス経済では各個人の期待価値に対してその期待経済が消費されることで成立します。
これは電気や水道のようなユーティリティー型の産業に類似しており、個別化医療や人の生体情報を用いたバイオメトリクス(生体認証)関連サービスに限らず、ある個人に個別化された商品やサービスの多様化が予想され、自分の情報が市場で流通し、自分化した商品やサービスをいつでも消費できるような新しい産業インフラが拡大し、あなたが常時インターネットに接続されているIoYou (Internet of You)がウェルネス経済の幕開けになるのかも知れません。金融市場、インターネット・IT市場をしのぐ生体情報市場が近い将来人類の革新的な経済となり、IT革命と市場をけん引してきたGAFAMは時代の化石となり、ウェルネス経済をけん引する企業達が歴史の主役になることでしょう。
Ver. 230331001
著者 並木幸久
<参考情報>
シグナリング、ウィキペディア、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0 、2024/03/31
ナッジ、ウィキペディア、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%83%E3%82%B8 、2024/3/31
<関連コンテンツ>
お金になる価値の素
お金になる価値の必要条件と十分条件
お金になる価値 の見つけ方(VDメソッドその1)
ウェルネス経済:お金になる健康の素
ウェルネス経済 :お金になるウェルネス の正体

ウェルネス経済は自分らしさや人(自分)の生活の質(QOL)を維持もしくは豊かにするための期待価値に対して発生する期待経済ですが、この期待価値と期待経済の関係はウェルネス・テックの発展に伴って高精度な価値とそれに応じた適正な経済に進化します。現在(2024年4月時点)では、個々人によりその期待価値は異なり、また、その期待経済も異なる市場ですが、実際の市場として2024年における世界のウェルネス市場規模が1.8 trillion米ドル(約273兆円、USD1=JPY151.7250の場合)であるとMcKinsey & Companyが推計(参考情報1)しています。
興味深い特徴は全ての世代において、Z世代(1997年~2012年生まれ)が最もウェルネス経済における消費者で、次いでミレニアル世代(1981年~1996年生まれ)で、Appearance(容姿)、Health(健康)、Fitness(フィットネス)、Nutrition(栄養)、Sleep(睡眠)、Mindfulness(マインドフルネス)においてはZ世代が他の世代よりも最もウェルネス消費が強く、ミレニアル世代はAppearance(容姿)、Fitness(フィットネス)、Nutrition(栄養)、Sleep(睡眠)、Mindfulness(マインドフルネス)においてZ世代の次に消費が大きいのです。日本では少子高齢化が深刻で、高齢者をターゲットにした市場に多くの企業の関心が集まりがちですが、ウェルネス経済においてそのけん引役はZ世代やミレニアル世代のような若くて働き盛りの世代で、先細りする市場ではなく、今後益々その成長が期待できるのです。
ウェルネス経済の1つの特徴として科学的な根拠やデータに基づいたエビデンスが消費を促しています。消費者はウェルネス製品やサービスが科学的な証拠に基づいている情報に経済価値を見出していて、健康関連商材やサービスにありがちな何となく健康に良いかも知れないけど消費が発生する特徴とは異なります。
また、ウェルネス経済には選択性の特徴もあり、皆ではなく、あるウェルネス商材やサービスが自分により適しているのか選択できることが重要で、この選択性はウェルネス関連商品やサービスの付加価値にもなっています。
より重要なのはこのトレンドはより進化することが予測され、ウェアラブル・デバイスや遺伝子検査等のバイオメディカル検査結果等に対応した商品やサービスが増え、ひいてはリアルタイムで自分の生体情報に応じた商品やサービスが提供される日も近いかも知れません。
レストランで食事をする際に自分の生体情報や医療データが自動的に共有されたり、利活用されたりすることで、こらから食べる食事に自分の付加価値を反映させられるようになり、今摂取した方がよい栄養が含まれるようになったり、今美味しいと感じられる味覚に合わせた味付けの食事が提供されたりするようになるかも知れません。
美味しい食事や自分の健康に良い食事はウェルネスですが、ウェルネス経済が成立する特徴として、供給者と消費者の間に情報の双方向性が不可欠で、この双方向性はあなたの情報が常時インターネットに接続され続けること(IoYou: Internet of You)で実現されます。
データセキュリティーや個人情報保護の問題などを解決する必要はありますが、ブロックチェーン技術を応用したり、バイオメトリクス(生体認証技術)を応用したりすることでウェルネス市場は更なる拡大を続けることが予測されます。
このウェルネス経済の成長にはウェルネス・テックと生体情報の交換システムの進化が不可欠で自分らしさや人(自分)の生活の質(QOL)を維持もしくは豊かにするための技術革新と自分の情報を第三者やモノに正確に伝えることができる仕組みが必要となり、近い将来では自分の情報を外部へ転送するための半導体(ウェルネス半導体)の登場が予測されます。
人は一般的に言語でコミュニケーションをおこないますが、このウェルネス半導体は人と人、人とモノ、人と生物・植物とのコミュニケーションにおいて言語を必要とせず、ある定量的もしくは定性的なコミュニケーションを行うために必要十分な情報を交換するための仕組みです。
ウェルネス半導体が実現されるためにはある定量的もしくは定性的なコミュニケーションを行うためのロジックが必要となりますがこのロジックの開発は価値経済工学で研究が進んでいて、人がウェルネスを得るために十分な情報と必要な情報をWELLNESS AI™が解析することで実現されるかも知れません。
McKinsey & Companyによると、米国だけでも、ウェルネス市場は 約4,800 億米ドル(約72兆円、USD1=JPY151.6160の場合)に達していて、年間約5~10% の割合で成長していると推計されています。
米国の約82%の消費者が日常生活において健康の維持を最優先事項または重要事項と考えていて、英国では約73%、中国では約87%と同様の傾向が調査されていて、このトレンドは、特にZ 世代とミレニアル世代の消費者に当てはまっているのです。
容姿、健康、睡眠、栄養、フィットネス、マインドフルネスの領域においては、Z 世代とミレニアル世代は年齢の高い世代よりも多くのウェルネス製品やサービスを購入している実態があるのです。
つまりインターネットやSNSなどから情報を得る世代が現在ウェルネス経済の主役で、ウェルネス経済のトレンドには情報の速さと質が特徴で、信頼できるウェルネス製品やサービスは市場で流通し、粗悪なウェルネス製品やサービスは淘汰されやすい市場です。
近い将来ある加工食品や市販薬を手に取るだけで自分の体質や健康に合わないことが把握できたり、自分のウェルネスにそぐわなかったりする情報スマートフォンやタブレットから表示されなくなるかも知れません。
さらに、全てのインターフェイスがあなたの生活の質を高めるように機能し、あなたに必要な情報を優先的に表示するようになるかも知れません。
1995年頃からインターネットが商業化されることにより情報(IT)革命が加速し、インターネットを通して、消費者や企業は世界中の情報を簡単に、また、低いコストで入手できるようになり、それによって経済・社会に大きな変革が起きました。
このIT革命と同じように、ウェルネス経済はウェルネス半導体と生体情報の交換システムにより自分の情報が安心安全に、また、自分を維持したり豊かにしたりすることができるようになることで質の革命、すなわちQOL(生活の質)革命により人類に新しい経済価値と社会価値をもたらすことになると予測しています。
ウェルネス経済は私たちの気付きよりも早くその実態が鮮明になり、ウェルネス市場は実経済において大きな比重を占め初めています。去年(2023年)には市場調査のカテゴリーにおいて、Health and Wellness市場と呼ばれていたのが今年(2024年)にはWellness市場と呼ばれ始めています。
これはウェルネス市場が明らかに健康や医療の市場とは異なるトレンドがあり、Health(健康・医療)とウェルネスを一緒にするのが不適切な実態が鮮明になっているのです。
但し、現在のウェルネス経済は期待価値に対する期待経済が大半を占めていますが、今後このトレンドは逆転し、第一世代のウェルネス市場では、Evidence-Based(科学的根拠に基づいた)情報がウェルネス市場では付加価値から経済価値の礎石となり、第二世代のウェルネス市場では、自分の情報に応じたもしくは対応した商品やサービスに経済価値が備わり、第三世代では、質(情報)を第三者・モノ・生物・植物と共有したり交換したりできる市場が形成され、第四世代では、年齢に関係のない、拡張・強化された老化とより自分化・より豊かな生活の質がもたらされる市場が形成されることでQOL革命が鮮明になることでしょう。
Ageless, Augmented/Enhanced Aging, and Personalized/Enhanced QOL are followed by QOL revolution.
Ver. 230402001
著者 並木幸久
<参考情報>
The trends defining the $1.8 trillion global wellness market in 2024、McKinsey & Company、https://www.mckinsey.com/industries/consumer-packaged-goods/our-insights/the-trends-defining-the-1-point-8-trillion-dollar-global-wellness-market-in-2024 、2024/4/2
<関連コンテンツ>
お金になる価値の素
お金になる価値の必要条件と十分条件
お金になる価値 の見つけ方(VDメソッドその1)
ウェルネス経済:ウェルネス経済とは
ウェルネス経済:お金になる健康の素
ウェルネス経済 :お金になるウェルネス の正体

お金、健康、人間関係は人間の3大お悩み事です。
この3つの悩みに関わるビジネスには確実な需要があるので、このお悩み事に関わるサービスやプロダクトを供給することでお金を得ることができます。
ここで大切なのは人のお悩み事に対してどのようにアプローチするのかによってサービスやプロダクトの質が変わります。
#お金になる健康 とは必要でかつ十分な意味を備えている情報で、サービスやプロダクトが包含している健康の意味(必要条件)と消費者が必要としている健康の意味(十分条件)が一致することでお金のトランザクション(取引)が発生します。参考:「 #お金になる価値 の必要条件と十分条件」の解説を参照して下さい。
健康を病気ではない状態で、自分らしいQOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)を維持できる状態であると定義します。
言い方を変えると、病気の人や自分らしいQOLを維持できていない人は健康を得るためにお金を使う傾向があるのです。
病気になった場合は治療を受けることで健康になることができますが、自分らしいQOLを維持することは意外と難しいのです。病気ではないものの体調が悪い、肌荒れが気になる、年齢に伴って髪の毛が薄くなる、体型が気になるなど人のお悩み事で社会は溢れているのです。
実際問題として自分らしいQOLを自分でも把握できていない人が大多数だと思いますが、必ずしも健康とは関係のない自分らしさの質の問題が原因であるにも関わらず健康を買うことで自分らしいQOLを得ようとするのです。
自分らしさの質を「 #ウェルネス ( #Wellness )」と定義すると、人は #ウェルネス を得るためにお金を使い、健康はその #ウェルネス の一部でQOLはウェルネスを保つことにより得られる結果であると整理できます。
健康= #ウェルネス ではありませんが、健康は #ウェルネス の十分条件で、 #ウェルネス な人は #健康の質 を維持できている人であると説明できます。
さらに整理すると、人は自分らしい #健康の質 を得るためにお金を使います。
あるサービスやプロダクトが自分の求めている #健康の質 に役立つ場合に人はその情報に関心を抱き、そのサービスやプロダクトがその人の経済価値に見合う場合にお金の取引が発生するのです。
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律、通称「薬機法」、により病気の治療に用いられる医薬品や医療機器等の販売や利用は定められています。
病気に対して効果・効能のあるサービスやプロダクトは薬機法によりその取扱いが厳格に定められている一方で、健康に対して効果・効能が期待できるサービスやプロダクトは誰でも販売することができるため、健康に関わるサービスやプロダクトにはとても広い裾野があり、様々な人の健康に関わるお困り事(関心事)に対してマーケティングが行われます。
このビジネスの面白いところは、ある健康に意識のある人は自分の健康や #ウェルネス が分からなくても、その関心のある健康情報に対して関心を抱き、そのサービスやプロダクトの #経済価値 が気になり、取引するための費用対効果を考えたり、未来得られるかも知れない #健康価値 に対して期待が膨らんだりするのです。
この #期待経済 が #お金になる健康 の素で、人は自分らしい健康の正体が分からないものの、期待する自分らしい健康を得るためにお金を使うのです。
この #期待経済 には #健康の質 とは関係のない自己満足的な要素も含まれるのでサービスやプロダクトを購入することで満たされる達成感や自己肯定感もあるので、その人の生活の質(QOL)やライフスタイルにより市場のニーズは多様化するのです。
より個別化されたサービスやプロダクトへの需要は今後益々高まり、健康を包含する #ウェルネス経済 は先進国ではより高品質なサービスやプロダクトに向けて消費者の関心が高まり、発展途上国でも汎用的なサービスやプロダクトへの需要は高まることが予測できます。
この需要の拡大と成長にはデジタル技術の発展が強く影響していて、人は自分の健康を見える化したり、自分らしい健康をAIに教えてもらったりすることでその期待される健康や #ウェルネス を得るための消費を続けるのです。
ある病気を治療する場合、対症療法と原因療法に大別されます。
前者は、「病気に伴う症状を和らげる、あるいは消すための治療です。
がんによる痛みや治療による副作用の症状が強い場合などに、それぞれの症状に応じた治療が行われます。
がんを取り除くといった、根治を目指す治療ではありませんが、つらい症状に対応して痛みや不快な症状を取り除くことで、QOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)を維持することを目指していきます。」1。
また、後者は、根治療法とも言われますが、病気そのものやその原因を治療します。
この2つの治療方法を比較した場合、多くの人は原因療法を選びたいと思うのではないでしょうか。ところが、医療の現場において原因治療はマイナーで対症療法が圧倒的に主流なのです。
そんな馬鹿な!と思われる人は試しにインターネットで「対症療法とは」と「根治療法とは」を検索してみることをお勧めします。
対症療法に関しては明確な説明やその定義を見つけることができますが、原因療法に関しては婉曲的な解説や明確な定義を見つけるのが難しいのです。ただシンプルな意味として、原因療法とは、病気の原因を突き止めて、その問題の原因を解決することで病気を治すことです。
医療の世界においてなぜこのような対症療法のトレンドができてしまうのでしょうか。医師は患者を診察したり、検査したりすることで、その患者の不具合の原因を見つけますが、その見つけた原因を無くすことで患者の不具合を治せるとは限らないのです。
つまり、ある患者が不具合を医師に告げた場合、医師はその患者の症状から可能性のある病気を推定し、その推定を検証するために血液を検査したりレントゲンやMRI等を用いたりすることで原因を見える化します。
ところが見える化された原因は目の前にあるもののその不具合の原因を直ちに解決することはできないのです。
例えば、手首の痛みを告げる患者にレントゲンを用いて手首の内部状態を画像として見える化し、原因が手首のある骨が折れている事だと突き止めた場合、医師は痛みの原因が骨折によるものであると患者に告げることができるもののその骨折を瞬時に治すことはできないのです。
また、仮に骨折が完治しても痛みが消えない場合、痛みと骨折は関係ないのかも知れません。
大抵の場合、骨折が確認できた場合、痛みの原因が骨折によるものと診断され、その骨折を治療するための対症療法が行われ、同時に痛みを緩和するために痛み止めのお薬が処方されることでしょう。
また、胃が痛む患者にはピロリ菌の検査をしたり、胃カメラなどを用いて胃の内部状態を見える化することで原因を確認し、仮にピロリ菌を検出したり、胃の内部表面にポリープを発見したとしてもその確認された原因と考えられる異常に対して対処療法を行うしかないのです。
胃の痛みを引き起こす病気や原因は推定できるものの、患者の胃の痛みに対して確実な原因治療を行うのは難しいので、先ずは原因として考えらる問題を解決したり改善したりするための対処療法が行われるのです。
近い将来人工知能を用いた検査により、患者の不具合の原因を極めて高い精度で推定し、その原因を網羅的に根治できる原因治療が可能になるかも知れませんが。
健康は日常において多用する一般語で、広告やテレビのCM等でも見かけたり聞いたりしない日はないと思います。この一方で、「健康」に対して少し専門的な解説を加えると、人が「健康」を使う場合に、人はその「健康」を必要条件として示唆します。
その一方で、その「健康」を情報として聞いたり見たりした人は「健康」の十分条件を確認することはあまり行われないのです。例えば、広告宣伝において、ある商品が健康に良いとしている場合、Aさん、Bさん、Cさんはその商品に関心を抱くかも知れません。
ところが、Aさんはダイエットに良いかもと思い、Bさんは美容に良いかもと思い、Cさんは体調の不調が改善できるかもと思うのです。つまり、「健康」はある人達の関心を得るための必要条件であり、その人達の十分条件はダイエット効果、美容効果、不調改善となり、健康に関心を抱いた3名はそれぞれ異なる #価値 (価値観)を商品に期待するのです。
参考:「 #お金になる価値 の必要条件と十分条件」の解説を参照して下さい。人が期待する健康効果とその費用感が健康ビジネスのマーケティングには重要で、ある曖昧だけど関心のある効果に人はお金を払います。
そして、その効果が体感できることで消費のリピートが促されるのです。課題なのは、その体感がどの程度その人の健康に効果があるのかを見える化するのが難しいのが現実です。
つまり、 #健康ビジネス において費用対効果を定量的に評価するのは難しい一方で、お金の取引が #期待経済 だけでも機能するのです。
この一方で、今後はデジタル技術や通信技術が一定の水準に達することで、あなたが常時インターネットに接続されている社会( #IoYou : Internet of You)が実現し、あなたの健康が定量的に見える化されて、あなたが求めていたり、得た方が良い健康をAIが教えてくれたりする時代になります。既に一部のIoT機器は身に着けることで人の健康度を見える化してくれたり、健康に関わる注意喚起をしてくれたりします。
より個別化されて、よりTPO(Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場面))化されたサービスやプロダクトが実用化され、人は電気や水道を利用するように自分の健康やウェルネスをユーティリティーとして購入したり利用したりする時代が間もなく到来し、お金になる健康の素はあなた自身の情報で、その情報が #ウェルネス経済 の素になるのです。
Ver. 231118001
著者 並木幸久
<参考>
対処療法、国立研究開発法人国立がん研究センター、https://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic01/modal/taishoryoho.html、2023/11/18
<関連コンテンツ>
お金になる価値の素
お金になる価値の必要条件と十分条件
お金になる価値 の見つけ方(VDメソッドその1)
ウェルネス経済:お金になる健康の素
#ウェルネス ( #Wellness )は医療・健康系事業からホスピタリティー産業に至るまで裾野が広く利用されている付加価値情報です。
#ウェルネス の厳密な定義は難しいものの、ウィキペディアでは「世界保健機関 (WHO) が国際的に提示した、「健康」の定義をより踏み込んで、そして広範囲な視点から見た健康観を意味する。」(1)と定義されています。
この一方で、一般的に #ウェルネス の定義が難しいのは各業界において #ウェルネス の意味合やその利活用方法が異なるため、 #ウェルネス が意味する正体は一定ではないのです。
#価値経済工学 ( #ValueEconomicsEngineering )ではこの #ウェルネスの正体 (情報)を分析する場合、 #ウェルネス はある付加価値の必要条件であると定義し、各付加価値の十分条件を見つけることで #ウェルネスの正体 を特定します。
例えば、国立大学法人琉球大学国際地域創造学部ウェルネス研究分野では、 #ウェルネス を、「「元気」や「爽快」を意味する英語「well」で、「病気」を意味する「illness」とは対照的な言葉です。」(2)と定義していますが、野村證券株式会社は、 #ファイナンシャル・ウェルネス を、「「人々が足元の金銭的な義務を果たすことができ、将来の金銭的な状況について安心感があり、生活を楽しむための選択ができる状態」といった意味を持ちます。」(3)と定義しています。
この2つの定義を比較してみると一見異なる価値を定義しているようにも思えますが、広義にその意味を解釈すると「人の良い状態(良い生活の質(QOL)」が #ウェルネスの正体 で、ある種の雰囲気のような価値観なのかも知れません。
ここで重要なポイントは、価値観は全ての人に固有である一方で、価値は必ずしも全ての人に共通ではないのです。
#価値経済工学 では価値は価値観の複数形であると定義し、価値観の正体は自分の中に既にある情報と外から自分に入ってくる情報の組合せによって生じる現象であると定義しています。
つまり、情報の組合せが価値観を発現させて、その価値観が価値になる一方で、価値は必ずしも全ての価値観に共通するものではないのです。
数理論理学的にまとめると、価値は価値観の必要条件で、価値観は価値の十分条件なのです。参考:「 #お金になる価値 の必要条件と十分条件」の解説を参照して下さい。
この必要条件と十分条件を用いて #ウェルネス を定義すると、良い生活の質は #ウェルネス に含まれて、 #ウェルネス は良い生活の質を含みますと整理できます。
この法則を琉球大学の定義に当てはめてみると、元気や快適であれば良い生活の質を含んで、良い生活の質は元気や快適に含まれますと言い換えることができます。
同じように、野村證券の定義に当てはめてみると、生活を楽しむための選択ができる状態であれば良い生活の質を含んで、良い生活の質は生活を楽しむための選択ができる状態に含まれますと言い換えることができます。
つまり、良い生活の質(QOL)は #ウェルネス の十分条件として機能する正体(情報)であることが確認できます。
#価値経済工学 ではVD(Value Development)メソッドを用いて #価値の正体 (情報)を明らかにし、各情報をVM(Value to Money)メソッドを用いることで #お金になる価値 を分析しながら機能する情報の組合せを組立てます。
参考:「 #お金になる価値の見つけ方( #VDメソッド その1)」の解説を参照して下さい。
#ウェルネス が秘めている経済価値を分析するためには各産業や各事業者が暗黙に含めている価値(情報体)と価値観(情報体)を明らかにし、価値の情報体と価値観の情報体を比較しながら消費者が求めている価値観(情報体)と一致させる必要があるのです。
ある企業があるサービスをPRするために #ウェルネス を付加価値として広告宣伝したとしても消費者が求めているもしくは期待しているウェルネスの価値観と一致しない場合、両者は #ウェルネス を付加価値として共有することができない結果に至り、消費者はその企業が暗示している #ウェルネス の付加価値に不満を抱くことになります。
#VDメソッド ではこの不一致を回避するためにある企業が用いているウェルネスに対して #VDシート を作成することで #ウェルネス が包含している各情報(十分条件)を見える化させ、 #ウェルネス (情報体)の正体を明らかにし、同時に消費者が期待している情報も明らかにすることで消費者が期待する価値観(情報体)に対して不一致が生じることを回避することがきます。
また、 #VMメソッド を用いることで消費者に機能する情報体( #情報薬 )を設計開発することができます。
#VMメソッド はある商品やサービスを提供する企業が消費者に販売したい場合に企業と消費者の期待価値(経済)を一致させるための手法で、企業が暗示したい #ウェルネス の付加価値と消費者がほしい付加価値を一致させるための方法で、ある価値の必要十分条件を効率的に開発するのに役立ちます。
この必要十分条件とは、企業が暗示している価値の正体(情報)と消費者が期待している価値の正体(情報)を一致させる情報で、 #価値経済工学 では #情報薬 とも定義しています。
#ウェルネス は非常に多くの産業において利活用されている付加価値情報ですが、その裾野の広さから #ウェルネス を厳密に定義したりその意味を限定したりするのは適切ではないのかも知れません。
消費者が持っている情報とそこから発現している期待価値(価値観)に対して企業は #情報薬 を含めた #ウェルネス を提案することで期待価値は期待経済となり、企業は #お金になるウェルネス を消費者に提供できることになるのです。
Ver. 231102001
著者 並木幸久
ウエルネス、ウィキペディア、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%8D%E3%82%B9、2023/12/2
ウェルビーイングを手に入れるウェルネス、国立大学法人琉球大学国際地域創造学部ウェルネス研究分野、https://health-tourism.skr.u-ryukyu.ac.jp/wellness/、2023/12/2
野村が考えるファイナンシャル・ウェルネス、野村證券株式会社、https://lps.nomura.co.jp/abr_center/financialwellness.html、2023/12/2
<関連コンテンツ>
お金になる価値の素
お金になる価値の必要条件と十分条件
お金になる価値 の見つけ方(VDメソッドその1)
ウェルネス経済:お金になる健康の素
ウェルネス経済 :お金になるウェルネス の正体
企業のウェルビーイングにおいて、「メンタルヘルス」は重要なテーマとされている一方で、具体的な取り組みやその意義を当事者に訪ねると概ね回答がぼやけています。
この要因にはメンタルヘルスは個人に直結する課題である一方で、企業との直接的な因果関係を見出し難い壁があるようです。
重要なテーマであることは理解できるものの企業としてその重要性を定義するのが難しいのかも知れません。
概ね、経営者は社員がメンタルヘルスを害すると「困る」とか「対策が必要だ」とか言いがちですが、その真意を分析しようとすると言葉だけが1人歩きをしているようで、企業において何故メンタルヘルスが重要なテーマなのか把握できていない課題が最も深刻な課題のようです。
そこで、この課題を見える化することで、企業におけるメンタルヘルスの経済価値を考えてみたいと思います。
端的には、メンタルヘルスが企業にもたらす収益効果やコスト効果を分析することで、企業のメンタルヘルスと経済の関係を明らかにし、収益を作る方法の1案をまとめながら紹介したいと思います。
<方法と結果>
メンタルヘルスにおける企業の経済を理解するために、企業価値とメンタルヘルスの関係を分析し、その関係を理解することで企業価値の向上へメンタルヘルスを利活用することを考えてみたいと思います。
この分析において、価値経済工学(VEE)で用いられるVDメソッド、VDシート、VMチャートを用いて分析します。この手法において、VDメソッドの実行は割愛して、その代わりに、ChatGPTやGeminiなどの生成AIサービスを用いて基本となる情報を自動で抽出してもらい、その後、得られた回答を用いてキュレーションする手法で進めます。
(注:キュレーション(Curation)は、情報を収集・整理・編集することで、新たな意味や価値にまとめることです。)
VDメソッドを実行することで、個人やチームメンバーが抱いている価値の要素を抽出できますが、AIサービスでは一般的な要素を抽出するのに役立ちます。
本来はVDメソッドを用いた結果と生成AIサービスを用いた結果を比較したり考察したりすることで各企業固有の価値を見出すことができますが、ここではこのプロセスは割愛します。
今回はGeminiに「メンタルヘルスと企業価値の関係における重要な要素」(2025年4月10日、12:50頃)を10件まとめてもらい、その後キュレートした結果を表1にまとめました。
ここでのポイントは、あえて少し多めに要素を抽出し、その後、その結果からいらない要素を削除したり、グループ化したりしながら要素をキュレートします。
また、生成AIによる分析結果は利用する生成AIサービスやその実行日時により変化するので注意しましょう。

図1 ウェルネス・ワインの経済価値分析表

図2 ウェルネス・ワインのお金と同じ機能分析VDシート結果

図3 価値のお金と同じ機能分析のVMチャート例
価値のお金と同じ機能分析のVMチャートでは各集合機能を抽出して行きますが、ここでのコツは必ずしも言葉や文章で集合機能を定義するのではなく、各集合機能を識別するために言葉や文章を付加えることを意識します。
MCVを抽出するために計測性(MV)と交換性(CV)に分析されている各正体を眺めながらグループとしてまとめることができる正体を考察し、同様にCSVでは交換性(CV)と貯留性(SV)の各正体を眺めながら考察し、MSVでは計測性(MV)と貯留性(SV)の各正体を眺めながら考察を行います。
繰り返しですが、グループを適切な言葉や文章で定義できる必要はありません。
自分の感覚で各異なる機能性に分析されている正体から1つずつ以上選択しすることで各集合機能を3つずつ以上定義します。
図4には各集合機能の抽出例をまとめてあります。
MCV1ではMV1(ストレス感)とCV7(ストレス緩和)をグループとして定義し、「ストレス感」としてグループに名前を付けました。
CSV1ではCV2(癒し)、CV7(ストレス緩和)、CV8(疲労回復)、SV1(癒し)、SV3(回復)をグループとして定義し、「ウェルビーイング」としてグループに名前を付け、MSV1ではMV7(健康度)、MV8(やすらぎ)、SV2(健康)、SV7(ウェルビーイング)をグループとして定義することで「健康状態」と名付けました。
言葉や文章は何かを説明したり第三者と情報共有したりする場合にとても便利なのですが、その言葉のニュアンスや価値観は人により異なるので自分で定義した言葉や文章が第三者と同じニュアンスや価値観として共有されるとは限らないのです。
価値経済工学では言葉や文章により生じる先入観を最小化しながらお金と同じ機能を開発することでお金と同じように別の価値と交換されやすい価値を正体(源泉)の集合として定義することを行います。
表1 メンタルヘルスと企業価値の関係における重要な要素

表2には表1で得られた結果をメンタルヘルスが企業にもたらす収益効果やコスト効果を軸にしてキュレートした結果例です。
この結果は、分析する人の価値観が入るので、分析を行う人により結果は異なります。
この例では、1と6の要素と4と8と9の要素をグループ化し、3と7と8と9と10の要素を削除しました。
似た経済価値を持っていると考えた要素達でグループ化し、削除した要素達は経済価値として重要でないと判断しました。
この処理を行うことで、表3に示すように4つの要素にまとめることができて、各要素の言葉と企業価値への影響の言葉を自分なり追記したり削除したりすることで整理します。
表2 要素のキュレーション

表3にはメンタルヘルスが企業にもたらす収益効果やコスト効果がまとまっていて、1は収益の増加とコストの削減に関係している要素、2と4はコストの削減に関係している要素、3は企業の収益増加に関係している要素であることが理解できました。この結果を用いてVDシートを作ります。
先ずは、この4つの要素を重要だと思う順番に上から並べ直します。
この時点において、定性的な評価を行うことが重要で、1と2を比較した場合に、1の方が重要とか、3と4を比較した場合には3の方が重要と判断しながら重要な要素順にならべることで整理します。
次に、この並べた各要素全体の合計値が100%になるように、各要素にその重要度に応じた数値を割り充てます。表4には数値を割り当てた結果例を示してあります。
この結果では、「企業価値の向上⇒収益増加」の要素が一番重要でその割合は50%で、次に「従業員の生産性向上による収益増加と欠勤・給食コストの削減」が続いて20%で、「従業員の定着率向上と採用コスト削減」が15%、「リスクマネジメントと訴訟リスクの低減⇒コスト削減」が10%と続きます。
つまり、この分析を行った人は、企業におけるメンタルヘルスの経済価値において、収益増加に関わる要素が重要でその割合は50%+25%で75%の割合であることが数値で見える化でき、コスト削減に関わる要素が25%+15%+10%=50%の割合であることも数値で見える化できました。
この例では、メンタルヘルスが企業にもたらす経済価値を収益効果とコスト効果でまとめた1例ですがVDシートを発展させることであらゆる軸で要素を定量的に評価したり、潜在的な要素や経済価値を見出したりすることができます。
表3 結果の整理

表4 企業におけるメンタルヘルスの経済価値(VDシート)

表4の結果から企業におけるメンタルヘルスの経済価値の意味を明らかにすることができました。
企業のウェルビーイングにおいてメンタルヘルスは重要だと認識する一方で、何故メンタルヘルスが重要なのかを整理しようとすると様々な視点が交差してしまい、その重要性の因果関係がぼやけてしまいますがVDメソッドを用いてメンタルヘルスと企業価値の関係について経済を軸にして分析することでメンタルヘルスが企業の経済に与える影響とその重要度を明らかにすることができました。
この例では、企業が従業員のメンタルヘルスに取組むことで企業価値の向上が見込まれ、その結果として収益が増加するメカニズムが最も大切で、メンタルヘルスにおける経済価値の50%を占めています。
続いて従業員の生産性向上による収益増加と欠勤・休職コストの削減が25%を占めていて、この要素は収益の増加とコストの削減の効果が見込まれます。
最後に、従業員の定着率向上と採用コスト削減が15%でリスクマネジメントと訴訟リスクの低減⇒コスト削減が10%でどちらも企業コストの削減に効果が見込まれることが分かりました。
この結果から企業におけるメンタルヘルスとその経済価値の関係を定量的に整理することが可能で、仮に、ある企業でメンタルヘルスの課題に取り組む際に、この定量化された結果に応じて予算を振り分けたり、優先順位を決めたりすることができるようになります。
最後に、VDシートの分析結果をお金になりやすい価値にすることも可能で、企業が抱えるメンタルヘルスの課題に対してソルーションを提供することで収益を作ることもできます。
VMチャートを用いることで、このお金になりやすい価値を分析しながら作ることもできますが、このコラムではVMチャートの詳細な説明は割愛し、簡易版のVMチャートで分析方法を紹介したいと思います。
VDシートで可視化された自社のメンタルヘルスの経済価値をVMチャートで深層分析することで他社のウェルビーイングに寄与できる製品やサービスを見出すこともできます。 最後に企業のウェルビーイングにおいて、メンタルヘルスを用いた企業価値の向上(収益増加)方法を分析してみたいと思います。
「メンタルヘルスと企業価値の関係における重要な要素」を分析する際には生成AIのGeminiを利用しましたが、今回の分析においてGeminiは利用することなく、簡易版のVMチャートを用いて分析を行います。
ちなみに、Geminiを用いて分析しても「メンタルヘルスと企業価値の関係における重要な要素」と似たような結果が生成されたり、分析対象が狭くなると的外れな回答が生成されたりするので生成AIは参考程度に利用するのがお勧めです。簡易版のVMチャートでは、分析したい経済価値(収益を作る方法)をお金の機能単位に分割することで分析を行います。
お金の機能とは、交換性、計測性、貯留性の3つの機能で、この各機能を備えている方法を考えて行きます。
表5にはこの分析結果の1例をまとめてあります。
交換性に関しては、何かを交換できる機能に焦点をおいて、メンタルヘルスで交換可能な事を考察した結果、悩み事を持っている人どうしが悩み事を交換するアイデアが浮かびました。
匿名で悩み事を交換しながらお互いにアドバイスし合う仕組みを作ることで企業価値を向上させることができると考えをまとめました。
計測性に関しては、社員と会社のメンタルヘルス度を数値化するアイデアが浮かびました。最後に、貯留性に関しては、社員の様々な心の悩みを匿名で集めて、その悩み事の傾向や特性を分析することで会社が社員の悩み事の根本を解決する仕組みを作るアイデアが浮かびました。
簡易版のVMチャートを用いることで各機能を軸にしたメンタルヘルスに関わる価値向上方法を見出すことができましたが、この段階ではまだ収益を作れる方法としては未完成です。
お金になりやすい価値(方法)を見出すにはこの3つの方法を合わせることが必要です。
交換性の方法と計測性の方法と貯留性の方法を組み合わせながら文章やその内容を整理することで、表5にまとめたメンタルヘルスに関わる収益増加方法の1案を作ることができました。
表5 VMチャートを用いたメンタルヘルスに関わる収益増加方法の分析

<結果の考察>
社員のメンタルヘルス度を計測する方法として、アンケートや質問紙による主観的な評価方法や心拍などの生体情報を用いた客観的な計測方法により実現可能で、また、社員が心の悩み事を匿名で伝えることができる掲示板、SNS、WEBメールなどの情報共有システムを作ることもできます。
社員のメンタルヘルス状態を定量的に把握しながら社員の心の課題を把握することで会社は具体的に存在している課題の傾向や特性を定量的に分析することが可能になるので、各課題に対して効果的な対策を実施することができるようになります。
同時に会社が自社のメンタルヘルス度を評価する指標を開発して会社がメンタルヘルス度を改善することや抱えている課題を公表しながらその結果と成果も共有することができれば企業の社会的評価、人材獲得力、顧客からの信頼、ESG投資、ブランド価値、顧客ロイヤルティ、長期的な企業価値を向上させることに役立てられます。
また、匿名で他人の悩み事を聞いたりアドバスしたりできる仕組みは社員のメンタルヘルスへの理解を高めることに有効で、社員の生産性向上や離職者の低下にも効果が期待できると同時に、人材獲得力、顧客からの信頼、顧客ロイヤルティの向上にも効果が期待できそうです。
企業の社会的評価が高まれば企業競争においてお客様に選択されやすくなることが期待できるので、結果的に売上の増加が見込まれます。会社が社員のメンタルヘルスを定量的に管理し、その改善度合いの目標値を設定し、会社がその達成度合いを会社の内外に伝えることで効果的な社員のメンタルヘルス管理を実施できます。
このような取り組みは社会的評価や会社のブランド価値を高める効果が見込めるので、会社への投資を呼び込む効果が期待できます。特にESG投資の対象として投資家に定量的なESGの取り組みとその効果を説明できるようになります。
<結論>
メンタルヘルスが企業にもたらす収益効果やコスト効果を価値経済工学で用いるVDシートと簡易版のVMチャートで分析した結果、企業のメンタルヘルスと経済の関係が明らかになり、メンタルヘルスによる収益増加方法の1案を開発することができました。
企業のウェルビーイングにおいてメンタルヘルスは重要なテーマですが、その具体的な取り組みが進まない課題に対して、メンタルヘルスを見える化し、また、社員と会社のメンタルヘルス指標を作ることで社員に対しても社会や取引に先に対しても会社の取り組みを定量的に説明することができるようになります。
この結果として、会社の社会的評価が蓄積されることでより多くの人に理解され、取引先として選ばれることで会社の収益が増えやすくなる結果に至るメカニズムを理解することができました。このメカニズムを表6にまとめました。
表5 VMチャートを用いたメンタルヘルスに関わる収益増加方法の分析

Ver. 250424001
著者 並木幸久
<関連コンテンツ>
価値経済工学とは?(YouTube動画)
お金になる価値の素
お金になる価値の必要条件と十分条件
お金になる価値 の見つけ方(VDメソッドその1)
ウェルネス経済:お金になる健康の素
ウェルネス経済 :お金になるウェルネス の正体